抑えきれない言葉とか。
仮に彼の名前を“シリー”としよう。
これから話すであろう物語が、いかにも愚かでつまらなくてしかし退屈凌ぎであることは間違いない紙一重な物語であって、その主人公であればそれもまた紙一重であるべきだからだ。
シリーは絵描きとしては未熟であったが、自らが絵描きだと信じ込まなければならない立場にいた。
というのも、絵描きでなければ何者でもないし存在できる場所も無いという切羽詰まった状況にあった。
誰でも自らの存在意義がなくなるとなれば、最後のひとつ(それがたとえ何ひとつすがりつけないようなガラクタだったとしてもだ)に全身全霊を賭けるものだろう。
最初からそのすがりつけるものとやらが無かったとしたらそれはそれでいいのだ。
何かを失った直後でビビりまくっている臆病者よりは強いし、そういうやつが例えばジャンケンみたいな理不尽な争いで勝つ。
そんなわけで、とにかく、シリーは自分自身というものに自信がなかった。
自信がない割には、人前ではいつも強きで勝ち気であった。
決して弱いところなど見せなかった。
弱さをさらけ出すことで、周囲にどう思われるかというよりは、自らが地獄に堕ちてしまうのを見たくなかったし、そういう予測がついた。
たったひとつの道に飛び越せないほど大きな泥沼があるようなものだった。
もちろん人並みな運動神経と観察力の持ち主であるシリーには、とうていその沼を飛び越せるはずはなかった。
「クソ喰らえ!この世界はクソったれのための便器か何かなのか!?」
シリーは気が済むまでその泥沼に文句を言った後、仕方がないのでその沼に浸かり直進することを決め腹を括った。
「いいか、俺がどんな内容の覚悟を決めようと、ひとりの男が自ら進んでクソまみれになっていくのを見ている連中にとっては、視覚的精神的侵害でしかないんだ。それが分かってんならさっさと目を逸らせ野次馬が!!」
これから話すであろう物語が、いかにも愚かでつまらなくてしかし退屈凌ぎであることは間違いない紙一重な物語であって、その主人公であればそれもまた紙一重であるべきだからだ。
シリーは絵描きとしては未熟であったが、自らが絵描きだと信じ込まなければならない立場にいた。
というのも、絵描きでなければ何者でもないし存在できる場所も無いという切羽詰まった状況にあった。
誰でも自らの存在意義がなくなるとなれば、最後のひとつ(それがたとえ何ひとつすがりつけないようなガラクタだったとしてもだ)に全身全霊を賭けるものだろう。
最初からそのすがりつけるものとやらが無かったとしたらそれはそれでいいのだ。
何かを失った直後でビビりまくっている臆病者よりは強いし、そういうやつが例えばジャンケンみたいな理不尽な争いで勝つ。
そんなわけで、とにかく、シリーは自分自身というものに自信がなかった。
自信がない割には、人前ではいつも強きで勝ち気であった。
決して弱いところなど見せなかった。
弱さをさらけ出すことで、周囲にどう思われるかというよりは、自らが地獄に堕ちてしまうのを見たくなかったし、そういう予測がついた。
たったひとつの道に飛び越せないほど大きな泥沼があるようなものだった。
もちろん人並みな運動神経と観察力の持ち主であるシリーには、とうていその沼を飛び越せるはずはなかった。
「クソ喰らえ!この世界はクソったれのための便器か何かなのか!?」
シリーは気が済むまでその泥沼に文句を言った後、仕方がないのでその沼に浸かり直進することを決め腹を括った。
「いいか、俺がどんな内容の覚悟を決めようと、ひとりの男が自ら進んでクソまみれになっていくのを見ている連中にとっては、視覚的精神的侵害でしかないんだ。それが分かってんならさっさと目を逸らせ野次馬が!!」
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